かわず季語辞典
新年の季語一覧
67語を収録
新年の季語は、正月にまつわる季語です。歳時記では春・夏・秋・冬とは別に「新年」の部を立て、初日や門松、雑煮など、年のはじめならではのことばを集めています。
季語は「時候」「天文」「地理」「生活」「行事」「動物」「植物」の分類ごとに並べています。季語を選ぶと、意味と例句を見られます。
時候11語
季節の移ろいや暦、暑さ・寒さなど、時の流れを表すことば。
- 元日がんじつ一月一日、年の初めの日。元日や 空の青さの 際立てる
- 元旦がんたん元日の朝、一月一日の旦(あした)のこと。元旦の 光やはらか 山の端に
- 元朝がんちょう元日の朝のこと。元朝の 光ひとすじ 縁先に
- 小正月こしょうがつ一月十五日の行事のこと。小正月 母はゆっくり お茶をのむ
- 去年今年こぞことし旧年から新年へと年が移り変わる大晦日から元日にかけての時を表す表現。去年今年 また同じ星 仰ぎけり
- 三が日さんがにち一月一日から三日までの三日間のこと。三が日 過ぎても続く 松の香よ
- 正月しょうがつ新年を祝う月。松の内を中心とした祝賀の期間で、各家に歳神を迎え、家族が揃って新年を祝う。正月の 縁側ぬくし 猫も来て
- 新年しんねん新しい年の始まり。新年の 風のかがやく 橋の上
- 初春はつはる新年を春の始まりとして称える言葉。初春や 静かに白む 山の端よ
- 松の内まつのうち門松を飾っておく期間で、元日から七日または十五日まで。松の内 静かに雪の 積もりたる
- 睦月むつき一月の和名。いとこらの 声のにぎはふ 睦月かな
天文7語
日・月・星、雨・風・雪・雲など、空や気象にまつわることば。
地理2語
山・野・川・海・田畑など、大地や水辺の季節の姿を表すことば。
生活28語
衣食住や仕事、遊びなど、人の暮らしにまつわることば。
- おせちおせち正月に食べる縁起物の料理を詰めた重箱。三段の おせちの蓋を 子がひらく
- お年玉おとしだま正月に子どもに贈る金銭のこと。お年玉 兄より先に 手を出して
- 鏡餅かがみもち正月に神前に供える丸い餅を重ねたもの。鏡餅 神棚の間に 白く満つ
- 書初かきぞめ新年に初めて毛筆で文字を書く行事のこと。書初の 墨の香りや 朝の部屋
- 門松かどまつ正月に家の門口に飾る松と竹の飾り。門松の 青さ朝日に 改まる
- 賀状がじょう新年の挨拶を伝える年賀状。賀状読む 懐かしき字に 指とまる
- 独楽こま糸を巻いて回す正月の伝統的な玩具。独楽回る 石畳にも 正月や
- 仕事始しごとはじめ新年になって最初に仕事を始める日のこと。ネクタイを 仕事始の 朝に締む
- 雑煮ぞうに正月に食べる餅入りの汁物。白味噌の 雑煮に母の ふるさとよ
- 屠蘇とそ正月に飲む薬草酒のこと。末の子の 屠蘇に始まる 朝の膳
- 七草ななくさ一月七日に七種の春草を入れた粥を食べる風習。七草を 刻む俎板 音高し
- 年賀ねんが新年を祝い互いに挨拶を交わすこと、またはその礼。年賀来て 机の隅に 山をなす
- 年始ねんし年の初め、または年始回りのこと。年始客 帰りし卓の 湯呑かな
- 羽子板はごいた新年の羽根つきに使う板。羽子板の 音軽やかに 空澄みぬ
- 初鏡はつかがみ新年に初めて鏡を見ること、またはその鏡。初鏡 おのれの顔の 老いにけり
- 初暦はつごよみ新年最初のカレンダーや暦のこと。初暦 めくる指先 かるやかに
- 初旅はつたび新年に初めて出かける旅のこと。初旅の 荷のかろやかや 朝の駅
- 初便りはつたより新年に届く最初の手紙や便りのこと。初便り 懐かしき字の 丸さかな
- 初電話はつでんわ新年に初めてかける電話のこと。初電話 受話器の奥の 訛りかな
- 初荷はつに新年最初に商品を運ぶこと、またはその荷物。初荷積む 船の出航 霜の朝
- 初場所はつばしょ一月に東京両国で開催される大相撲の本場所のこと。初場所の 太鼓の響く 両国に
- 初湯はつゆ新年に初めて入る風呂のこと。初湯より 湯気立ちのぼる 夜明けかな
- 初夢はつゆめ一月一日から二日の夜に見る夢。初夢の 続きを探す 枕かな
- 初笑はつわらい新年に初めて笑うこと。初笑 声がはじけて 座ほぐるる
- 春着はるぎ正月に着る晴れ着。新しい年を寿ぐために身にまとう衣で、改まった心持ちと華やぎを映す新年の装い。春着着て 鏡の前に 長くをり
- 繭玉まゆだま小正月に繭に似せた餅や団子を柳などの木に刺して飾る行事のこと。繭玉の 白く揺れたる 座敷かな
- 万歳まんざい正月に家々を訪ねて祝い言を述べ、舞いや謡を演ずる門付け芸能のこと。万歳の 鼓の音の 路地を来る
- 若水わかみず元日の朝に初めて汲む水。若水を 汲みて静けき 朝の庭
行事11語
年中行事や祭り、記念日や忌日など、暦と結びついた催しのことば。
- 鏡開きかがみびらき松の内が明けた後、鏡餅を割って食べる行事のこと。木槌もて 鏡開きの 父の役
- かるたかるた正月の遊びとして親しまれてきたカード遊び。かるた取る 子らの声高 座敷かな
- 左義長さぎちょう小正月に正月飾りや書き初めを焼く行事のこと。左義長の 炎の丈に どよめけり
- 初売はつうり元日や正月三が日から始まる商店の最初の商い。初売の 呼び声ひびく 市場かな
- 初稽古はつげいこ新年に武道や芸道などで初めて行う稽古。初稽古 袴の皺を 正しけり
- 初子はつね正月最初の子の日のこと。初子の日 袖をつらねて 野に出づる
- 初詣はつもうで新年に神社や仏閣に参拝すること。初詣 鈴の緒握る 小さき手
- 羽根突きはねつき羽子板で羽根を打ち合う正月の遊び。羽根突きの 音澄みてゆく 庭の隅
- 福笑いふくわらい目隠しをして顔のパーツを並べる正月遊びのひとつ。福笑い あまりに笑ふ 子の声や
- 松飾まつかざり正月に玄関先などに飾る松を使った飾りのこと。松飾 青々として 朝の霜
- 若菜摘みわかなつみ新年、七種粥に入れる若菜を野に出て摘むこと。若菜摘む 子の手に土の 匂ひかな
動物4語
鳥・虫・魚・獣など、季節ごとに姿を見せる生き物のことば。
植物4語
花・木・草・木の実・野菜など、季節の草木のことば。