行く秋(ゆくあき)

「行く秋(ゆくあき)」は秋の季語です。分類は「時候」。

意味・解説

秋が過ぎ去ろうとしている晩秋の頃を指す。季節の移ろいへの惜別の情を込めた表現。

歳時記での時期は「晩秋」(秋の終わり、おおむね10月ごろ)です。

俳句の秋は、立秋(8月7日頃)から立冬の前日までです。

例句

行く秋や旅の鞄の紐ほどく

この例句は、季語の使い方を示すためにかわずが用意した作例です。

行く秋を詠んだ名句

  • 蛤の ふたみにわかれ 行秋ぞ
    松尾芭蕉『奥の細道』
  • 行く秋や 手をひろげたる 栗の毬
    松尾芭蕉『続猿蓑』

詠み方のヒント

「行く秋」は去ってゆく秋を旅人になぞらえた晩秋の季語で、過ぎゆく季節を惜しむ寂しさが本意です。「ゆくあき」は4音なので、「行く秋や」と切れ字を添えて上五に置く形がよく使われます。芭蕉が『奥の細道』を別れの句で結んだように、見送りや旅立ちの場面と取り合わせると情が深まります。柿や紅葉など晩秋の季語と一緒に使うと季重なりになるので、どちらを主役にするかを意識しましょう。