菫(すみれ)

「菫(すみれ)」は春の季語です。分類は「植物」。

意味・解説

春の野道や土手に小さな紫の花を咲かせる。謙虚に地に伏すその姿は詩人たちに愛され、古今の句に詠まれてきた。

歳時記での時期は「三春」(春の間ずっと)です。

俳句の春は、立春(2月4日頃)から立夏の前日までです。

例句

菫咲く線路のそばのひとところ

この例句は、季語の使い方を示すためにかわずが用意した作例です。

菫を詠んだ名句

  • 山路来て 何やらゆかし すみれ草
    松尾芭蕉『野ざらし紀行』
  • 菫ほどな 小さき人に 生まれたし
    夏目漱石

詠み方のヒント

「菫」は野や道端にひっそり咲く小さな紫の花で、その小ささや慎ましさへのいとおしさが本意です。「すみれ」は3音なので、「菫草」「すみれ草」とすれば5音で上五・下五に置けます。目立たない花にふと心を引かれる、道すがらの出会いの場面がよく合います。きごさい歳時記では園芸種の「三色菫(パンジー)」を晩春の別の季語として立てています。